
シャンパン造りの主役、ネゴシアン・マニピュランとは?
泡立つ黄金色の飲み物、シャンパン。その華やかな姿の裏には、様々な製造方法と製造者の存在があります。大きく分けて、ブドウの栽培から瓶詰めまでを一貫して行う「レコルタン・マニピュラン」、他からブドウを仕入れてシャンパンを作る「ネゴシアン・マニピュラン」、そしてブドウ農家が共同で設立した組合がシャンパンを作る「コオペラティブ・ド・マニピュラン」の三つの種類があります。それぞれの特徴がシャンパンの味わいに多様性を与え、奥深い世界を作り出しています。
今回は、中でも多くの銘柄を世に送り出している「ネゴシアン・マニピュラン」に注目してみましょう。彼らは、自らブドウ畑を所有していない、もしくは所有していても十分な量ではないため、契約農家などからブドウを購入してシャンパンを製造しています。そのため、広範囲の畑から多様な品種のブドウを安定して入手できることが強みです。収穫年の天候変化による影響を最小限に抑え、品質を均一化し、常に高い水準のシャンパンを提供できます。また、長年培ってきた独自のブレンド技術によって、それぞれのメゾンの個性を表現した味わいを作り出すことが可能です。それぞれのメゾンが持つ伝統と技術が、絶妙なバランスで調和したシャンパンを生み出すのです。
一方で、ブドウ栽培から瓶詰めまで全てを自身で行う「レコルタン・マニピュラン」は、土地の個性を最大限に表現したシャンパン造りを目指しています。特定の区画のブドウのみを使用することで、その土地ならではの風味を際立たせた、個性豊かなシャンパンが生まれます。また、ブドウ農家が共同でシャンパン造りを行う「コオペラティブ・ド・マニピュラン」では、高品質なシャンパンを手頃な価格で提供できるという利点があります。それぞれの製造方法によって異なる個性を持つシャンパン。飲み比べて、それぞれの魅力を発見するのも楽しみの一つです。