
グローセ・ラーゲ:ドイツ最高峰の畑
ドイツの最高級のぶどう畑を表す言葉に「グローセ・ラーゲ」というものがあります。これは、ドイツの優れた醸造所が集まる団体である「フェアバンド・ドイツ・プレディカーツワインギュター」、略して「VDP」が独自に定めた格付けで、最上位の畑にのみ与えられる称号です。
ドイツには国が定めたぶどう栽培やワイン醸造に関する法律がありますが、VDPはさらに厳しい独自の基準を設けています。その基準の中でも最上位に位置づけられるのが、このグローセ・ラーゲなのです。グローセ・ラーゲに認定される畑は、フランスのブルゴーニュ地方にある特級畑(グラン・クリュ)に匹敵するとされ、まさにドイツ最高峰の畑と言えるでしょう。
では、具体的にどのような基準をクリアした畑がグローセ・ラーゲと呼ばれるのでしょうか。まず、畑の土壌や気候、日照条件、そして歴史などが厳しく審査されます。長い年月をかけて培われた、その土地ならではの個性がしっかりと表現されているかどうかが重要なポイントです。また、収量制限も厳しく定められており、質の高いぶどうを収穫するために、あえて量を少なく栽培しています。
さらに、栽培や醸造に関しても厳しい規定があります。例えば、農薬や化学肥料の使用は最小限に抑え、自然と調和した環境に優しいぶどう栽培が求められます。醸造においても、添加物を極力使わず、ぶどう本来の味わいを最大限に引き出す製法がとられています。
こうした厳しい選定基準をクリアした、まさに選ばれし区画だけが、グローセ・ラーゲの称号を与えられ、その称号はワインのラベルに表示することができます。ラベルにグローセ・ラーゲの文字を見つけたら、それはドイツ最高峰のワインの証と言えるでしょう。