熟成ポートワインの魅力:LBV

熟成ポートワインの魅力:LBV

ワインを知りたい

先生、『レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート』って、普通のポートワインと何が違うんですか?

ワイン研究家

いい質問だね。『レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート』は、ヴィンテージ・ポートほどではないけれど、良質な作柄の年に作られるポートワインなんだ。ヴィンテージ・ポートを作る基準に達しなかったブドウを使うけれど、熟成期間が長く、しっかりとした味わいが楽しめるのが特徴だよ。

ワインを知りたい

なるほど。でも、熟成期間が長いってどのくらいですか?

ワイン研究家

収穫から4~6年熟成させてから瓶詰めされるんだ。だから、収穫年も瓶詰めの年も表示しないといけないんだよ。普通のポートワインより長く熟成させることで、まろやかで複雑な味わいになるんだ。

レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポートとは。

『レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート』というワインの言葉について説明します。これは、最高の出来とはいかないまでも、それに次ぐ良質な年のぶどうを使って作られるポートワインのことです。収穫から4年目の春から秋にかけて申請を行い、許可が下りれば、4年目の夏から6年目の年末までの間に瓶詰めされます。ラベルには、ぶどうを収穫した年と瓶に詰めた年を両方記載する必要があります。アルコール度数は19度から22度です。

概要

概要

酒精強化ぶどう酒の一種である、ポルトガルの名産品、ポートぶどう酒。その中でも、遅摘み瓶詰めという意味の名を持つ、エル・ベー・ヴェーと呼ばれる種類があります。これは、最高の出来の年のぶどうだけを使うというわけではありませんが、それに匹敵する良いぶどうを使って造られます。同じように良質なぶどうから造られる、よく知られた年代物のポートぶどう酒と比べると、熟成にかける期間が短く、気軽に楽しめるのが特徴です。

その名の通り、通常よりも遅い時期に瓶詰めを行い、四~六年の間、蔵で熟成させてから市場に出されます。この熟成期間のおかげで、買ったその日から楽しめる飲み頃の状態になっていることが多いです。年代物のポートぶどう酒のように、何十年も寝かせてからでないと飲めない、ということがありません。

力強い風味と、まろやかな舌触りが両立し、複雑で奥深い味わいを求める一方で、年代物のポートぶどう酒のような長い熟成期間を待てないという方にぴったりの飲み物と言えるでしょう。しっかりとしたぶどうの風味を楽しみながら、開栓後も比較的長持ちするため、ゆっくりと味わうことができます。

一般的に、開栓後は冷蔵庫で保管し、一週間から二週間程度で飲み切るのが良いでしょう。熟成を経たふくよかな香りと、なめらかな飲み口は、食後酒として最適です。チーズやチョコレート、ナッツなどのおつまみと合わせれば、より一層その風味を引き立て、贅沢なひとときを過ごすことができます。また、少し冷やして飲むことで、より爽やかな味わいを楽しむこともできます。

分類 エル・ベー・ヴェー (LBV)
種類 酒精強化ぶどう酒(ポートワイン)
原料 良質なぶどう(必ずしも最良の年のものとは限らない)
熟成期間 瓶詰め前:4~6年
購入後:すぐ飲める
特徴 力強い風味とまろやかな舌触り
複雑で奥深い味わい
開栓後も比較的長持ち
飲み方 食後酒に最適
チーズ、チョコレート、ナッツなどのおつまみと
少し冷やしても良い
保存方法 開栓後は冷蔵庫で保存
1週間~2週間程度で飲み切る

製法の違い

製法の違い

同じ酒精強化ぶどう酒である晩熟ぶどう酒と年代物酒精強化ぶどう酒ですが、製法に大きな違いがあります。最も大きな違いは、熟成にかける時間と瓶詰めを行う時期です。年代物酒精強化ぶどう酒は、ぶどうを収穫してから二年以内に瓶に詰められます。その後は、瓶の中でゆっくりと時間をかけて熟成が進みます。これは、熟成を瓶内で行うことで、ぶどう本来の風味を閉じ込め、複雑で奥深い味わいを生み出すためです。

一方、晩熟ぶどう酒は、収穫から四~六年もの間、オーク材の樽の中で熟成させます。その後、ようやく瓶詰めされます。樽の中でじっくりと熟成させることで、ぶどうの渋みが和らぎ、円やかでまろやかな口当たりに仕上がります。このように、二つの酒は熟成方法が大きく異なるため、風味や味わいに明確な違いが生まれます。

また、飲む際の手間にも違いがあります。年代物酒精強化ぶどう酒は、瓶の中で熟成が進むため、澱(おり)が発生することがあります。そのため、飲む前に澱を取り除く作業、つまり濾過をすることが多く、特別な道具が必要になります。晩熟ぶどう酒は、すでに飲み頃を迎えた状態で瓶詰めされているため、濾過をせずに、そのまま楽しむことができます。

このように、晩熟ぶどう酒は年代物酒精強化ぶどう酒よりも手軽に楽しめるように造られています。それぞれの製法の違いを理解することで、それぞれのぶどう酒の個性と魅力をより深く味わうことができるでしょう。

項目 晩熟ぶどう酒 年代物酒精強化ぶどう酒
熟成期間 収穫から4~6年 収穫から2年以内
熟成場所 オーク材の樽 瓶内
風味 渋みが和らぎ、円やかでまろやか ぶどう本来の風味、複雑で奥深い味わい
瓶詰め時期 熟成後 熟成前
無し 有り(濾過が必要な場合あり)
飲み方 そのまま 濾過が必要な場合あり

味わいの特徴

味わいの特徴

エル・ビー・ブイ(LBV)は、凝縮された果実の風味と幾重にも重なる香辛料の香りが特徴です。熟したプラムやブラックベリー、レーズンといった黒色の果実を思わせる香りに、シナモンやクローブといった香辛料の香りが複雑に絡み合い、奥深い味わいを生み出しています。口に含むと、濃厚な黒系果実の甘みが広がり、そこにスパイスの刺激がアクセントを加えます。まるで熟した果実を煮詰めたジャムのような、ふくよかな甘みが感じられます。

さらに、樽でじっくりと熟成させることで生まれるバニラやチョコレートを思わせる香りも楽しめます。これらの香りが、果実やスパイスの香りと調和し、より複雑で洗練された味わいを醸し出します。アルコール度数は19度から22度と比較的高めですが、豊かな甘みと見事に調和しており、飲み応えのある仕上がりとなっています。しっかりとした渋み成分が味わいの骨格を支え、飲み込んだ後も長く心地よい余韻が続きます。

エル・ビー・ブイ(LBV)は、食後の飲み物として単体で楽しむのも良いですが、デザートとの相性も抜群です。特に、チョコレートやチーズ、ナッツといった濃厚な味わいの食べ物は、エル・ビー・ブイ(LBV)の風味と互いを引き立て合い、より一層味わい深く楽しめます。例えば、ビターチョコレートのほろ苦さとエル・ビー・ブイ(LBV)の甘みは絶妙な組み合わせですし、ブルーチーズの塩気とコクは、エル・ビー・ブイ(LBV)の果実味と複雑な香りをさらに際立たせます。ナッツの香ばしさも、エル・ビー・ブイ(LBV)の風味とよく合います。様々な組み合わせを試して、自分好みの楽しみ方を見つけるのも、エル・ビー・ブイ(LBV)の魅力の一つです。

項目 詳細
名称 エル・ビー・ブイ(LBV)
香り 凝縮された果実香、香辛料(シナモン、クローブ)、バニラ、チョコレート
濃厚な黒系果実(プラム、ブラックベリー、レーズン)の甘み、スパイス、ジャムのようなふくよかな甘み、しっかりとした渋み
アルコール度数 19~22度
余韻 長く心地よい
相性の良い食べ物 チョコレート、チーズ、ナッツ

種類

種類

ぶどう酒の中でも、酒精強化ぶどう酒として知られるポートの種類の中でも、晩年瓶詰めヴィンテージ、略して「エル・ビー・ヴィー」と呼ばれるものがあります。これは、収穫年の特徴がはっきりと出ている良質なぶどうを使って仕込まれ、比較的短い熟成期間を経て瓶詰めされる、若々しく力強い味わいが楽しめるタイプのものです。このエル・ビー・ヴィーには、大きく分けて二つの種類があります。一つは「伝統的な製法」で作られるもので、もう一つは「ろ過」という処理を施したものです。

伝統的な製法で作られたエル・ビー・ヴィーは、瓶に詰められた後もじっくりと熟成が進みます。これは樽の中で長い時間をかけて熟成させるヴィンテージ・ポートとは異なり、若いうちから楽しめるようにと考えられた製法です。しかし、瓶内熟成が進むにつれて、ぶどうの果皮や種などに由来する沈殿物(澱おり)が生じることがあります。この澱は人体に害はありませんが、味わいや見た目を損なう可能性があります。そのため、飲む前に「傾斜法(デカンタージュ)」と呼ばれる方法で澱とぶどう酒を分離する作業が必要になります。傾斜法とは、澱を瓶の底に残したまま、静かに別の容器にぶどう酒を移し替える作業のことです。

一方、ろ過処理を施したエル・ビー・ヴィーは、瓶詰め前に特殊なフィルターを使って澱のもととなる成分を取り除いています。そのため、瓶詰め後も澱は生じません。ですので、傾斜法などの手間をかけずに、気軽に開けてそのまま楽しむことができます。近年では、手軽に楽しめるという点から、ろ過処理をしたエル・ビー・ヴィーが主流になりつつあります。

どちらの種類のエル・ビー・ヴィーにも、それぞれの良さがあります。伝統的な製法で作られたものは、長期熟成による複雑な風味の変化を味わうことができます。一方、ろ過処理を施したものは、若々しい果実味と力強い味わいを気軽に楽しむことができます。自分の好みやシーンに合わせて、最適な方を選んでみてください。

項目 伝統的な製法 ろ過処理
熟成 瓶内熟成、長期熟成による複雑な風味の変化 瓶詰め前に熟成を終える、若々しい果実味と力強い味わい
発生する (傾斜法が必要) 発生しない
飲用 デカンタージュ等の準備が必要 手軽にそのまま飲める
その他 近年主流になりつつある

表示

表示

ワインのラベルには、様々な情報が詰まっています。その中でも特に「収穫年」と「瓶詰年」は、ワインの個性を知る上で重要な手がかりとなります。今回は、晩熟ブドウ仕込みの酒精強化ワイン、いわゆる「LBV」のラベル表示について詳しく見ていきましょう。

まず「収穫年」は、ブドウが収穫された年を示しています。ブドウの出来は、気候条件に大きく左右されます。そのため、収穫年は、その年の気候を反映したブドウの品質を示す指標となるのです。例えば、日照時間が長く乾燥した年は、糖度の高いブドウが収穫され、力強いワインに仕上がることが期待できます。反対に、雨が多く冷涼な年は、酸味が際立つ爽やかなワインとなるでしょう。

次に「瓶詰年」は、ワインが瓶に詰められた年を示します。LBVは、瓶詰め後も熟成が進むワインです。瓶詰年から現在までの期間、つまり熟成期間を知ることで、ワインの味わいの変化を推測することができます。熟成期間が長いほど、まろやかで複雑な味わいになると考えられます。

LBVには、伝統的な製法で作られたものと、濾過処理を施したものがあります。伝統的な製法で作られたLBVの場合、「伝統的」や「無濾過」といった言葉がラベルに記載されていることがあります。無濾過のため、瓶内で澱が生じる場合がありますが、これは自然な現象であり、品質に問題はありません。澱を取り除きたい場合は、デキャンタージュと呼ばれる方法で静かに別の容器に移し替えて飲むと良いでしょう。一方、濾過処理を施したLBVの場合、特に表記がないことが一般的です。濾過によって澱が生じにくいため、そのままグラスに注いで楽しむことができます。

このように、ラベルに記載された収穫年、瓶詰年、そして製法に関する情報を読み解くことで、LBVの個性や熟成度合いをより深く理解し、自分にぴったりの一本を見つけることができるでしょう。ラベルをよく見て、ワイン選びの参考にしてみてください。

項目 説明 備考
収穫年 ブドウが収穫された年 気候条件を反映したブドウの品質を示す指標
瓶詰年 ワインが瓶詰めされた年 熟成期間の目安
伝統的製法 無濾過で製造 ラベルに「伝統的」「無濾過」などと記載。澱が生じる場合あり。
濾過処理 濾過処理済 ラベルに特に表記なし。澱が生じにくい。

楽しみ方

楽しみ方

晩酌の楽しみの一つ、酒精強化ぶどう酒の一種である「後期瓶詰めヴィンテージ」通称「エル・ベー・ヴィ」の楽しみ方をご紹介いたします。まずは基本的な飲み方から。エル・ベー・ヴィは冷やして飲むのが一般的です。冷蔵庫で冷やしすぎるとせっかくの香りが楽しめないので、飲む少し前に冷蔵庫から出して、十四度から十八度くらいになったら飲み頃です。種類によっては、飲む前に空気に触れさせることで、よりまろやかな味わいになるものもあります。「伝統的エル・ベー・ヴィ」と呼ばれる種類は、デキャンタージュという、専用の容器に移し替える作業をすることで、熟成によって生じた沈殿物を取り除き、同時に空気に触れさせることで香りを引き立たせることができます。一方、「濾過エル・ベー・ヴィ」と呼ばれるものは、濾過の工程で沈殿物が取り除かれているため、デキャンタージュは不要です。そのままグラスに注いで気軽に楽しめます。エル・ベー・ヴィは、食後酒としてそのまま楽しむのも良いですが、相性の良い食べ物と一緒に味わうと、さらに楽しみが広がります。例えば、チーズやチョコレート、ナッツ、乾燥させた果物など。濃厚な味わいのエル・ベー・ヴィは、様々な料理と組み合わせることで、思いがけない相性の良さを発見できるかもしれません。特におすすめなのは、青カビチーズや苦味の強いチョコレートとの組み合わせです。エル・ベー・ヴィの甘みと、チーズの塩味、チョコレートの苦味が互いを引き立て合い、忘れられない美味しさを体験できるでしょう。ぜひ、色々な組み合わせを試して、自分にとって最高のマリアージュを見つけてみてください。

種類 飲み方 デキャンタージュ 相性の良い食べ物
エル・ベー・ヴィ全般 14〜18℃に冷やす 種類による チーズ、チョコレート、ナッツ、乾燥果物
伝統的エル・ベー・ヴィ 飲む前に空気に触れさせる 必要(沈殿物除去、香り引き立たせるため) 青カビチーズ、苦味の強いチョコレート
濾過エル・ベー・ヴィ そのままグラスに注ぐ 不要(濾過済み)