テイスティング 知られざる甘口ワインの世界:モワルー
ぶどう酒の世界では、甘さを表す言葉がいくつかあります。その中で「モワルー」という表現は、フランスのぶどう酒で使われる特別な言葉です。これは、甘口でありながらも、極端に甘いわけではない、程よい甘さを意味します。甘さを測る尺度の一つに、ぶどうの汁を発酵させた後に残る糖分の量、つまり残糖量があります。モワルーと認められるには、この残糖量が1リットルあたり12グラムから45グラムの間でなければなりません。もっと甘みの強い貴腐ぶどう酒などは、残糖量が1リットルあたり100グラムを超えるものもあり、モワルーとは区別されます。この程よい甘さがモワルーの最大の特徴です。甘すぎることなく、様々な料理と合わせやすいので、食卓で楽しむのにぴったりです。デザートと一緒に楽しむのはもちろん、意外かもしれませんが、少し塩気のある料理との相性も抜群です。また、注意すべき点として、発泡性のぶどう酒は、モワルーとは呼ばれません。たとえ同じ程度の甘さであっても、泡があるかないかで味わいは大きく変わるため、モワルーの定義からは除外されています。フランスのぶどう酒を選ぶ際に、「モワルー」という表示を見かけたら、控えめな甘さと、食事との相性の良さを期待して良いでしょう。普段あまり甘いぶどう酒を飲まない方でも、気軽に楽しめる甘口ぶどう酒としておすすめです。
