ワインの流通 ワインの標準サイズ:ブティーユのお話
飲食店でよく目にするワインのびん。その多くは750ミリリットル入りで「ブティーユ」と呼ばれています。実はこの大きさ、世界中で最も広く普及している標準的な容量なのです。二人で飲むのにちょうど良い量とも言われ、親しみある大きさとなっています。何気なく手に取っているこのワインのびんですが、その大きさには長い歴史と興味深い理由が隠されています。まず、ブティーユという名称はフランス語に由来します。フランスは世界的に有名なワインの産地であり、ワイン文化の中心地の一つです。そのフランスで標準的なびんの大きさを表す言葉が、そのまま世界に広まったのです。では、なぜ750ミリリットルという中途半端な数字になったのでしょうか?諸説ありますが、有力な説の一つに、18世紀のイギリスとの貿易が関係していると言われています。当時のイギリスでは、ワインの輸入に際し、ガロンという単位が用いられていました。1ガロンは約4.5リットルです。そして、当時のガラスびんの製造技術では、大型のびんを作るのが難しく、割れやすいという問題がありました。そこで、輸送や保管の効率を考え、1ガロンを6等分した大きさ、つまり750ミリリットルが採用されたというわけです。また、もう一つの理由として、人間の肺活量との関係も考えられます。昔、ガラスびんを作る際には、吹きガラスという技法が用いられていました。職人が息を吹き込み、びんを膨らませていく製法です。そして、平均的な人間の肺活量がちょうど700~800ミリリットル程度であったため、自然とこの容量のびんが作られるようになったという説もあります。このように、ワインのびんの大きさには、歴史的背景や技術的な制約、さらには人間の身体的特徴など、様々な要因が絡み合っているのです。普段何気なく手にしているワインのびんですが、その背景を知ることで、より一層ワインを楽しむことができるのではないでしょうか。
