375ml

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ワインの種類

甘美なる黄金の雫 ジュラのヴァン・ド・パイユ

フランス東部のジュラ地方で造られるヴァン・ド・パイユは、その名の通り「藁のワイン」です。 収穫したブドウを藁や簾の上、あるいは風通しの良い天井裏に吊るして乾燥させます。まるで天日で干した干し柿のように、じっくりと水分を飛ばしていくのです。この乾燥工程こそが、ヴァン・ド・パイユの独特の風味を生み出す鍵となります。乾燥期間は最低でも6週間以上、長いものでは3ヶ月にも及びます。 この間、職人はブドウの状態を毎日入念にチェックし、最適な乾燥状態を見極めます。長年の経験と勘が頼りとなる、まさに職人技と言える作業です。乾燥が進むにつれて、ブドウは緑色から黄金色へと変化し、果実の内部では糖分が凝縮されていきます。まるで宝石のように輝くブドウからは、蜂蜜や杏のような甘い香りが漂い始めます。こうして出来上がった干しブドウは、通常のブドウよりも糖度が格段に高くなっています。この糖度の高いブドウから造られるワインは、濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴です。口に含むと、蜂蜜や杏を思わせる深い甘みが広がり、その後にレーズンやドライフィグのような風味を感じます。まるで太陽の光をいっぱいに浴びた果実のエキスを凝縮したかのような、複雑で奥深い味わいです。この独特の甘みは、貴腐ブドウを用いた甘口ワインとも、酒精強化ワインとも異なる、ヴァン・ド・パイユならではの魅力です。 ジュラ地方の冷涼な気候と乾燥した風土、そして職人のたゆみない努力が、この唯一無二のワインを生み出していると言えるでしょう。まさに、ジュラ地方の風土と伝統が凝縮された、特別な一杯なのです。