ワインの醸造 ワインの再発酵:甘美なる危険
ぶどう酒造りは、ぶどうの汁に酒のもととなる菌を加え、甘い成分を度数の成分と炭酸の泡に変化させる醸しという工程を経て行われます。この醸しは、ぶどう酒の風味や味わいを作る上で非常に大切な工程ですが、一度終わった後に再び始まることがあります。これが再醸しと呼ばれる現象です。再醸しは、ぶどう酒の中に残っていた糖分が、再び活性化した菌の働きによって分解されることで起こります。醸しは、温度や菌の栄養状態など、様々な要因に影響を受けます。通常、適切な温度と栄養が供給された環境では、菌は活発に活動し、ぶどうの汁の中の糖分を分解していきます。しかし、温度が低すぎたり、菌に必要な栄養が不足していたりすると、菌の活動は弱まり、糖分が全て分解されないまま醸しが止まってしまうことがあります。このような状態で、再び温度が上がったり、栄養が供給されたりすると、休眠状態にあった菌が再び活動を始め、残っていた糖分を分解し始めます。これが再醸しです。再醸しは、炭酸の泡を生み出すことで、ぶどう酒に発泡性を与える場合もあります。シャンパンのように、意図的に再醸しを起こさせて発泡性を持たせるぶどう酒もあります。しかし、予期せぬ再醸しは、ぶどう酒の品質に思わぬ影響を与える可能性があります。例えば、瓶詰め後に再醸しが始まると、瓶の中で炭酸の泡が発生し、瓶内圧力が高まり、最悪の場合、瓶が破裂する危険性もあります。また、再醸しによって生じた炭酸の泡が、ぶどう酒の風味を損なってしまうこともあります。そのため、ぶどう酒造りにおいては、再醸しを適切に管理することが非常に重要です。温度管理や栄養管理を徹底し、意図しない再醸しを防ぐための対策が必要です。また、再醸しによって生じる炭酸の泡を適切に調整することで、ぶどう酒の品質を高めることも可能です。
