ワインに関する道具 ボルドーワインとボトルの深い関係
ぶどう酒の瓶といえば、緑色のすらりとした形を思い浮かべる方が多いことでしょう。しかし、ぶどう酒の瓶には様々な形があり、それぞれに歴史と理由が刻まれています。有名なボルドー地方のぶどう酒の瓶は、その名の通りボルドー地方で古くから使われてきた瓶で、特徴的な肩の形が印象的です。このいかり肩のような形には、実は澱(おり)と呼ばれる沈殿物を瓶の底に集めるための工夫が凝らされているのです。ボルドー地方のぶどう酒は、じっくりと熟成させることで奥深い香りと味わいを醸し出す高級なぶどう酒として知られています。しかし、熟成の過程で澱が発生することがあります。澱はぶどう酒の品質そのものに影響を与えるものではありませんが、口当たりを悪くするため、飲む前に取り除くのが一般的です。ボルドー型の瓶のいかり肩は、この澱を瓶の肩の部分に集め、グラスに注ぐ際に澱が混ざらないようにする役割を果たしているのです。澱とは、ぶどうの皮や種、タンパク質などが熟成中に結合し、沈殿物となったものです。長年熟成させたぶどう酒ほど、澱が多く発生する傾向があります。澱自体は無害ですが、ざらざらとした舌触りで、ぶどう酒本来の風味を損なってしまう可能性があります。そこで、ボルドー型の瓶のいかり肩が活躍します。澱を肩の部分に留めることで、デカンタージュという作業をしなくても、澱を瓶に残したまま、澄んだぶどう酒だけをグラスに注ぐことができるのです。このように、何世紀にもわたるぶどう酒作りの知恵と工夫が、瓶の形にまで反映されているのです。一見何気ない形にも、ぶどう酒をより美味しく味わうための先人たちの知恵が詰まっていると言えるでしょう。小さなこだわりが、ぶどう酒文化の奥深さを物語っています。
