ロニャージュ

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ブドウの栽培

夏の剪定、ロニャージュ

ぶどうの樹は、人の手を加えずに放っておくと、枝や葉を際限なく伸ばし続けます。まるで生き物のように、どこまでも伸びていこうとするその強い生命力は、時に樹勢を弱め、実の質を落とす原因となります。そこで、質の高いぶどうを収穫するために欠かせない作業が「剪定」です。剪定は、主に冬に行われるものと、初夏に行われる「ロニャージュ」と呼ばれるものがあります。冬の剪定では、樹の骨格となる主要な枝を決め、大まかな樹形を整えます。その後、春になり芽が出始めると、今度はロニャージュによって、冬の剪定では予測できなかった部分の調整を行います。冬の剪定を補完するように、春から初夏にかけての生育状況を見ながら、改めて樹全体のバランスを整えるのです。ロニャージュの大きな目的は、養分を無駄な枝葉に送るのを防ぎ、実に栄養を集中させることです。養分が実に集中することで、糖度が上がり、風味も豊かになります。さらに、枝葉が混み合っていると、風通しが悪くなり、湿気が溜まりやすくなります。これは、病害虫の発生を招く大きな原因となります。ロニャージュで余分な枝葉を取り除くことで、風通しと日当たりがよくなり、病害発生のリスクを抑える効果も期待できます。このように、一粒一粒のぶどうが、太陽の光を十分に浴びて、豊かな味わいを蓄えるために、剪定は欠かせない作業と言えるでしょう。剪定は、まさに、ぶどう栽培における「一粒への愛情」の表れと言えるのではないでしょうか。