ブドウの品種 ワイン品種リヴァーナーの魅力
リヴァーナーという名の葡萄酒は、その名の由来が幾重にも重なった興味深い物語を秘めています。この物語は、二十世紀初頭、スイスのトゥルガウ州出身のヘルマン・ミュラー教授が、ドイツのガイゼンハイム研究所で新たな葡萄品種を生み出したことに始まります。教授は長年の研究の末、ついに念願の品種を完成させました。そこで、自分の名前と出身地の州名を組み合わせ、「ミュラー・トゥルガウ」と名付けました。長い間、この名が広く使われ、人々はこの新しい葡萄から作られる芳醇な葡萄酒を好んで飲みました。ところが、この葡萄の親となる品種に関して、後に意外な事実が判明します。当初は、高貴な香りを誇るリースリングとシルヴァーナを掛け合わせたものと考えられていました。しかし、詳細な調査の結果、実はリースリングと、あまり知られていないマドレーヌ・ロイヤルという品種を交配させたものであることが明らかになったのです。この発見は、葡萄酒の世界に大きな驚きをもたらしました。当初の誤解に基づき、「リースリング」と「シルヴァーナ」の頭文字を組み合わせた「リヴァーナー」という呼び名も一部で使われるようになりました。そして、時が経つにつれ、この「リヴァーナー」という名が次第に広く浸透し、最終的には正式な品種名として認められるに至ったのです。現在、ドイツを中心に世界各地で栽培されているこの葡萄は、主に「リヴァーナー」の名で流通しています。もちろん、「ミュラー・トゥルガウ」というかつての呼び名も未だに使われていますが、正式名称は「リヴァーナー」です。このように、複雑な経緯を経て生まれた「リヴァーナー」という名は、この葡萄酒に独特の奥行きを与えていると言えるでしょう。名前の由来を知ることで、グラスに注がれた黄金色の液体は、さらに味わい深いものになるのではないでしょうか。
