ワインの種類 魅惑の酒精強化ワイン、マルサラの世界
太陽が降り注ぐイタリアの島、シチリア。その西部の街、マルサラで生まれた酒精強化ぶどう酒が、マルサラです。マルサラの歴史は、18世紀後半、イギリスの商人、ジョン・ウッドハウスから始まります。当時、イギリスでは酒精強化ぶどう酒、特にポートぶどう酒がもてはやされていました。遠い異国へぶどう酒を運ぶには、品質を保つ工夫が必要でした。そこで、ウッドハウスはシチリア産のぶどう酒に蒸留酒を加えることで、長旅にも耐えられるようにしました。これがマルサラの始まりです。遠いイギリスの地でポートぶどう酒の代わりにマルサラを売り出したところ、たちまち評判となり、世界中に広まりました。マルサラという名前の由来は、アラブの人々がこの地域を治めていた時代まで遡ります。その頃、マルサラは重要な港町でした。「大きな港」を意味するアラブ語が、マルサラという街の名前の由来と言われています。マルサラは、シチリアの豊かな土壌で育ったぶどうと、アラブ文化の名残、そしてイギリス商人の知恵が結びついて生まれた、歴史と文化が溶け込んだ特別なぶどう酒と言えるでしょう。古くから伝わる製法を守りながら、現代にも受け継がれています。ぶどうの品種や熟成期間によって、さまざまな種類があり、それぞれ異なる風味を楽しめます。料理に使うこともでき、甘口タイプはデザートや焼き菓子に、辛口タイプは鶏肉料理や魚料理によく合います。多様な味わいを持つマルサラは、世界中の人々を魅了し続けています。
