
南アフリカワインの魅力:ケープブレンドの世界
南アフリカ共和国を代表するワイン、ケープブレンド。その名の通り、アフリカ大陸最南端の岬地域で生まれた、独特のブレンド製法で作られています。最大の特徴は、南アフリカ固有のぶどう品種、ピノタージュの使用です。ピノタージュは、ピノ・ノワールとサンソーという、二つの品種をかけ合わせて誕生しました。力強い果実の風味と、香辛料を思わせるスパイシーな香りが魅力です。
このピノタージュを、全体の三割から七割という割合で使い、他の品種とブレンドすることで、ケープブレンドは生まれます。ブレンドされる品種は様々で、これによって味わいに複雑さと奥深さが生まれます。力強い風味のピノタージュを、他の品種がうまく包み込み、調和のとれた味わいを作り上げます。それぞれの品種の持ち味が重なり合い、複雑で奥深い味わいを生み出す、まさにワイン職人の技が光る逸品です。
ピノタージュの個性を際立たせつつ、他の品種とのバランスを追求することで、様々な風味のケープブレンドが作られています。軽やかで飲みやすいものから、どっしりとした重厚感のあるものまで、その味わいは多種多様。自分好みの味を探求する楽しみも、ケープブレンドの魅力の一つと言えるでしょう。
世界的に見ても、特定の品種を一定の割合で使用するブレンドワインは珍しく、ケープブレンドは南アフリカ独自のワイン文化を象徴する存在と言えるでしょう。南アフリカの風土と、ワイン職人の情熱が生み出したケープブレンド。その奥深い味わいを、ぜひ一度体験してみてください。