ブレタノマイセス

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テイスティング

ワインの香り「ブレット」:その正体と魅力

ぶどう酒を味わう中で、時折、独特な香りが鼻腔をくすぐることがあります。この香りの正体の一つに「ぶどう酒くさみ酵母」と呼ばれるものがあります。正式名称をブレタノマイセス属という微生物の一種で、これがぶどう酒の中で活動することで、揮発性の芳香族化合物が生成されます。この化合物が独特の香りのもととなるのです。この香りは、馬小屋、湿布薬、土壌など、様々なものに例えられます。人によっては、不快な臭いと感じることもありますが、一方で、複雑な香りの一部として好む人もいます。ぶどう酒くさみ酵母は、必ずしも悪いものとは限りません。少量であれば、ぶどう酒に複雑味や深みを与えるプラスの要素となることもあります。例えば、革製品や燻製のような香りを与え、熟成したぶどう酒の味わいに奥行きを加えることがあります。しかし、過剰に発生すると、ぶどう酒のバランスを崩し、飲みにくくなってしまうこともあります。ぶどう酒の製造過程では、衛生管理を徹底することで、ぶどう酒くさみ酵母の発生を抑制することができます。また、醸造方法によっても、その発生量を調整することが可能です。例えば、ぶどうの皮や種を一緒に漬け込む醸造方法では、ぶどう酒くさみ酵母が発生しやすいと言われています。一方で、清澄剤を使用するなど、現代的な醸造技術を用いることで、ぶどう酒くさみ酵母の発生を最小限に抑えることができます。このように、ぶどう酒くさみ酵母は、ぶどう酒の香りと味わいに大きな影響を与える存在です。その香りは、人によって好みが分かれるものの、ぶどう酒の個性、ひいては奥深さを形作る上で、欠かせない要素の一つと言えるでしょう。ぶどう酒の世界において、ぶどう酒くさみ酵母は、常に議論の的となる、複雑で魅力的な存在なのです。
ワインの醸造

ワインの香り、個性か欠陥か? ブレタノマイセスの謎

ぶどう酒造りには、なくてはならない存在である酵母。ぶどうの糖分をアルコールに変える、いわばぶどう酒の生みの親と言えるでしょう。数ある酵母の仲間の中で、近年、特に注目を集めているのがブレタノマイセスという酵母です。この酵母は、ぶどう酒に独特の香りを与えることで知られており、その香りはぶどう酒の持ち味を際立たせることもあれば、欠点とみなされることもある、まさに諸刃の剣です。この小さな酵母がぶどう酒にどのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。ブレタノマイセスは、自然界に広く存在する酵母の一種で、土壌や果実、樹木の表面などに生息しています。ぶどう酒造りにおいては、ぶどうの果皮や醸造設備などからぶどう酒に入り込み、発酵過程で増殖することがあります。ブレタノマイセスは、他の酵母とは異なる特徴的な香りを生成します。代表的なものとしては、馬小屋、革、薬品、スパイスなどを連想させる香りがあります。これらの香りは、少量であれば複雑な香りを加え、ぶどう酒の奥行きを増すと評価されることもあります。しかし、過剰に増殖すると、これらの香りが強くなりすぎて、飲みにくくなってしまうこともあります。そのため、ぶどう酒造りでは、ブレタノマイセスの増殖を制御することが重要となります。ブレタノマイセスに対する評価は、ぶどう酒の産地や種類、そして飲む人によって大きく異なります。フランスの一部地域では、ブレタノマイセスによる香りを伝統的なぶどう酒の個性と捉え、積極的に取り入れている生産者もいます。一方で、他の地域では、ブレタノマイセスによる香りは欠陥とみなされ、厳しく管理されています。また、消費者によっても、ブレタノマイセスによる香りを好む人もいれば、嫌う人もいます。そのため、ぶどう酒を選ぶ際には、ブレタノマイセスの香りの有無を確認することが大切です。近年、自然派ぶどう酒の人気が高まるにつれ、ブレタノマイセスへの関心も高まっています。自然派ぶどう酒は、添加物を極力使用せず、ぶどう本来の味を活かしたぶどう酒造りを目指しています。そのため、ブレタノマイセスのような自然界に存在する酵母も、ぶどう酒の個性の一部として受け入れられる傾向があります。しかし、自然派ぶどう酒だからといって、必ずしもブレタノマイセスによる香りがするとは限りません。ブレタノマイセスの増殖は様々な要因に影響されるため、同じ生産者のぶどう酒でも、年によって香りの強さが異なることもあります。このように、ブレタノマイセスはぶどう酒造りにとって複雑な存在です。