ブドウの品種 幻の白ワイン、ツィアファンドラーを探求
ツィアファンドラーは、オーストリアのニーダーエスタライヒ州にあるテルメンレギオンという小さな地域でひっそりと育てられている白ぶどうの品種です。その歴史は深く、古い書物の中には中世まで遡ると記されているものもあるほどですが、詳しい記録は少なく、謎に包まれた部分が多い品種と言えるでしょう。「幻の白ぶどう酒」と呼ばれることもあり、ごく限られた量しか作られていないため、世界でもあまり知られていません。このぶどうは、オーストリアの限られた地域だけでなく、ハンガリーのペーチという地域でも「ツィルファンドリ」という名前で少しだけ育てられているという記録が残っています。両地域に繋がりがあるのかどうか、今後の研究が期待されるところです。ツィアファンドラーが限られた地域で細々と育てられてきた背景には、収穫量が安定しないことや、育てるのが難しいことが挙げられます。天候に左右されやすく、病気にもかかりやすいという繊細な性質を持っているため、手間暇をかけて丁寧に育てなければなりません。また、収穫量が少ないため、生産者にとっては経済的な負担も大きくなります。しかし近年、ツィアファンドラーから作られるぶどう酒は、他にはない独特の風味が評価され、少量ながらも質の高いぶどう酒を生み出す品種として見直されています。果実のような甘い香りと、生き生きとした酸味が特徴で、料理との相性も良いため、知る人ぞ知る隠れた名品として注目を集めています。栽培の難しさゆえに生産量は限られていますが、その希少性と個性的な味わいが、愛好家を惹きつけてやまない魅力となっているのでしょう。
