シャンパン製法

記事数:(2)

ワインの醸造

瓶内二次発酵の進化:ジャイロパレット

発泡性の葡萄酒、例えばシャンパンなどを造る際には、瓶の中で二度目の発酵を行う工程が欠かせません。この瓶内二次発酵と呼ばれる工程では、酵母が糖分を食べて炭酸ガスを生み出し、心地よい泡立ちが生まれます。しかし、この発酵が終わると瓶の底には酵母の澱が沈殿してしまいます。この澱を取り除く作業こそが、動瓶と呼ばれる工程です。フランス語では「ルミュアージュ」と言います。古くから、この動瓶作業は熟練の職人が手作業で行ってきました。まず、ピュピトルと呼ばれる専用の台に瓶を斜めに差し込みます。この台には小さな穴が無数に開いており、そこに瓶の首の部分を差し込むのです。そして毎日、少しずつ瓶を回転させながら、徐々に角度を立てていきます。この作業を数週間かけて続け、最終的には瓶の口を真下に向けます。瓶を回転させる角度や速度、そして傾ける角度は、長年の経験と勘に基づいて調整されます。まさに職人技と呼ぶにふさわしい繊細な作業です。こうして瓶を逆さまにすることで、酵母の澱は瓶の口部分に集まり、次の工程である澱抜きをスムーズに行うことができるのです。近年では、この動瓶作業を機械で行う方法も普及していますが、手作業による動瓶は今もなお、伝統的な手法として高い評価を受けています。熟練の職人の手によって行われる動瓶は、高品質な発泡性葡萄酒を生み出すための重要な工程と言えるでしょう。
ワインの醸造

ワイン造りの粋、ルミュアージュの奥深さ

発泡性の葡萄酒、とりわけシャンパンなどの製造において、澱引きは欠かせない工程です。澱とは、葡萄酒の熟成中に瓶の底に沈殿する酵母やタンパク質などの微粒子のことです。熟成によって生まれる複雑な香りは歓迎すべきものですが、澱がそのまま残っていると、せっかくの葡萄酒が濁ってしまったり、渋みや好ましくない風味の原因となってしまいます。澱引きは、この澱を取り除き、澄んだ美しい外観と、洗練された風味を引き出すための重要な作業なのです。澱引きには様々な方法がありますが、中でも伝統的な手法であるルミュアージュは、職人の技術と経験が光る繊細な作業です。ルミュアージュは、専用の道具を用いて瓶を少しずつ回転させながら傾斜を付けていくことで、澱を瓶の口に集めていく作業です。この作業は長期間にわたり、毎日少しずつ行われ、熟練した職人の手によって初めて完璧な仕上がりとなります。近年では、このルミュアージュを機械で行う方法も普及していますが、最高級のシャンパンなどは今でも手作業で行われていることが多く、その丁寧な仕事こそが、高品質の証となっています。澱引きによって、澱を取り除くだけでなく、発泡性葡萄酒特有のきめ細やかな泡立ちを生み出すことにも繋がります。澱は泡の核となるため、澱引きの巧拙は泡の質に直接影響します。滑らかで持続性のある泡は、発泡性葡萄酒の魅力の一つであり、澱引きはその品質を左右する非常に重要な工程と言えるでしょう。澱引きを経て初めて、真に完成された発泡性葡萄酒となるのです。繊細な技術と手間暇をかけて行われる澱引きは、発泡性葡萄酒の品質を支える、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。