ワインの生産者 隠れた名工房、ボーモン・デ・クレイエール
きらめく泡と繊細な味わいで世界中の人々を魅了する飲み物、シャンパーニュ。その有名な産地の中心都市、エペルネ。そこからほど近い小さな村、マルドゥイユに、1955年、ボーモン・デ・クレイエールという名の生産者協同組合が誕生しました。静かな田園風景が広がるこの土地で、組合員たちはそれぞれの畑で丹精込めて育てた葡萄を大切に持ち寄り、力を合わせてシャンパーニュ造りに励んできました。土を耕し、葡萄の樹を剪定し、収穫した果実を選別する。そして、発酵、熟成、瓶詰めまで、すべての工程を組合員の手で行う。それは、まさに葡萄畑と人との繋がりを大切に守り続けてきた証です。設立当初は小規模な協同組合でしたが、その丁寧な仕事と高品質なシャンパーニュは次第に評価を高め、今では20軒を超える栽培家が所属するまでに成長しました。組合が所有する葡萄畑の総面積は100ヘクタールを超え、広大な土地から生まれる多様な葡萄が、ボーモン・デ・クレイエールのシャンパーニュに複雑さと奥行きを与えています。シャンパーニュ地方には多くの生産者が存在しますが、葡萄栽培から瓶詰めまでのすべての工程を協同組合が自社で完結させるというのは、実は大変珍しいことです。通常、小規模な生産者は共同で設備を利用したり、外部の業者に委託したりすることが一般的です。だからこそ、ボーモン・デ・クレイエールの「自分たちの手で最高のシャンパーニュを造る」という揺るぎない信念と、それを実現する力強さは、まさに誇りと言えるでしょう。
