ブドウ畑 クロ・ド・タール:唯一無二の特級畑
ぶどう畑、クロ・ド・タール。フランスの銘醸地ブルゴーニュの中でも特に名高いコート・ド・ニュイ地区、モレ・サン・ドニ村にこの畑はあります。その歴史は古く、西暦1411年にまで遡ります。静寂を尊ぶシトー修道会の修道士たちが、初めてこの土地に鍬を入れ、ぶどうの栽培を始めたのです。それから幾星霜を経た今日に至るまで、クロ・ド・タールの所有者はたったの3回しか変わっていません。これは、この土地がいかに大切に、そして敬意をもって受け継がれてきたかを物語っています。長きにわたり、この畑はモメサン社という会社が所有し、その名声を守り育ててきました。2017年という節目の年を迎えるまでは、モメサン社の手によって、クロ・ド・タールのぶどうはワインへと生まれ変わっていたのです。そして現在、この稀少な畑は、フランソワ・ピノー氏という人物の手に委ねられています。ピノー氏は、この畑全体を単独で所有する、いわば一人の領主のような存在です。つまり、クロ・ド・タールで収穫されたすべてのぶどうは、ピノー氏のもと、ただ一つの醸造所でワインへと姿を変えるのです。これは、畑が細かく分割され、複数の生産者が入り乱れるブルゴーニュ地方において、大変珍しいことです。すべての工程をたった一人で管理できるということは、品質の一貫性を保ち、その土地の個性を最大限に引き出すことに繋がります。まさにこの単独所有という形態こそが、クロ・ド・タールのワインの比類なき希少性と価値を高めている、最大の理由と言えるでしょう。
