ブドウ畑 シャブリワインとキンメリジャン土壌
およそ一億五千万年前、恐竜たちが地上を闊歩していたジュラ紀後期、キンメリジャン期と呼ばれる時代に、のちに銘醸地を育む土壌が形成され始めました。キンメリジャン土壌。その名の由来である時代を想像してみてください。広大な海には、エグゾジラ・ヴィルギュラという微小なカキが無数に生息し、やがてその生涯を終えると、海底に静かに堆積していきました。長い歳月を経て、これらのカキの殻は、地層の一部となり、現在のキンメリジャン土壌の礎を築いたのです。肉眼では捉えきれないほど小さなカキの殻ですが、顕微鏡を覗けば、確かにそこに存在を確認できます。それは、遠い昔、この地が海だったことを物語る紛れもない証拠です。キンメリジャン土壌は、大きく分けて二つの要素から成り立っています。一つは石灰質。白っぽい色合いで、水はけの良さが特徴です。ブドウの根は、この石灰質の層を伝って地中深くへと伸び、必要な水分や養分を吸収します。もう一つは泥灰質。石灰質と粘土が混ざり合ったもので、保水力に優れています。水分を適度に保つことで、ブドウは乾燥 stressに晒されることなく、健やかに生育することができます。この石灰質と泥灰質のバランスこそが、キンメリジャン土壌をブドウ栽培に最適な環境にしているのです。さらに、カキの殻がもたらす豊富なミネラル分も忘れてはなりません。ミネラルは、ブドウの生育を助け、独特の風味を生み出す重要な要素です。キンメリジャン土壌で育ったブドウから造られるシャブリワイン。キリッとした酸味とミネラル感あふれる味わいは、まさにこの土壌の賜物と言えるでしょう。
