アルバリサ

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ブドウの品種

万能品種パロミノ:シェリー以外の世界

パロミノという葡萄の品種は、まるで七変化のように様々な表情を見せる、まさに万能選手と呼ぶにふさわしい存在です。その名は、スペインを代表する酒精強化酒であるシェリーに使われることで広く知られています。しかし、パロミノの活躍の場はシェリーだけにとどまりません。酒精強化をしていない、いわゆる普通の葡萄酒造りにも、その個性を活かして世界中で多種多様な葡萄酒を生み出しているのです。一見すると、他の華やかな葡萄品種に比べて地味な印象を抱くかもしれません。しかし、その奥底には計り知れない可能性が秘められています。まるで舞台を支える名脇役のように、様々な葡萄酒の中でその実力をいかんなく発揮しているのです。例えば、シェリーにおいては、フロールと呼ばれる産膜酵母によって独特の風味を与え、辛口から極甘口まで、多様なスタイルのシェリーを生み出します。酒精強化しない場合は、その穏やかな酸味と控えめな果実味が、他の葡萄品種と調和しやすく、ブレンドの相手を引き立てる名脇役となります。また、単一品種で仕立てた場合には、その土地の風土や造り手の個性を素直に反映した、繊細で奥深い味わいを表現することができます。華やかな脚光を浴びる機会は少ないかもしれません。しかし、パロミノは、まさに縁の下の力持ちとして、世界の葡萄酒界を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。その落ち着いた味わいは、料理との相性も良く、幅広い食卓で楽しむことができます。まるでカメレオンのように、様々な姿を見せるパロミノ。その魅力を一度味わってみれば、きっとあなたもその虜になることでしょう。
ブドウ畑

アルバリサ:シェリーを生む白い土壌

太陽が照りつけるスペインの南、アンダルシア地方にはヘレスと呼ばれる地域があります。そこで造られる酒精強化ワイン、シェリー酒。その独特の風味は、この土地ならではの白い土から生まれます。雪が一面に広がったかのような、その白い土は「アルバリサ」と呼ばれています。アルバリサの白さは、土壌に豊富に含まれる石灰分に由来します。主な成分は硫酸カルシウムですが、粘土や珪土といった成分も多く含まれており、これらの成分がシェリー酒造りに欠かせない役割を担っています。アルバリサ土壌は、乾燥した気候のヘレス地方において、まるで天然の貯水池のように機能します。冬場に降った雨を、その高い保水性によってしっかりと蓄え、乾燥した夏の間もブドウの根へと水分を供給し続けます。ブドウの生育にとって水分は必要不可欠ですが、過剰な水分もまた生育を阻害する要因となります。アルバリサは、水分を蓄えるだけでなく、余分な水はけも良いという理想的な性質も併せ持っています。さらに、アルバリサ土壌には、ブドウの生育を妨げる鉄分などの無機物が少ないという特徴もあります。豊富な水分と少ない無機物、この相反する要素が絶妙なバランスで保たれていることが、繊細で複雑な味わいのシェリー酒を生み出す土壌の秘密と言えるでしょう。アルバリサ土壌で育ったブドウから造られるシェリー酒は、世界中で愛される独特の風味を備えています。まさに、白い土壌「アルバリサ」こそが、ヘレスの宝であり、シェリー酒の源なのです。