ワインの格付け 普段着ワインの魅力:ヴァン・ド・ターブル入門
『食卓の酒』。かつてフランスで日常的に飲まれていたぶどう酒は、こう呼ばれていました。その名の通り、肩ひじ張らずに楽しめる気取らないぶどう酒です。正式名称は『ヴァン・ド・ターブル』でしたが、近年、酒類に関する法律の改正に伴い、『ヴァン・ド・フランス』という名前に変わりました。しかし、その自由な精神は今もなお、しっかりと受け継がれています。このぶどう酒の最大の特徴は、産地やぶどうの種類などをラベルに記す必要がないという点です。これはつまり、生産者はぶどうの種類も作り方も、自由に決められるということです。昔から伝わる製法に縛られることなく、新しい工夫に挑戦できる革新的な一面も持っていると言えるでしょう。伝統にとらわれない自由な発想から、思いもよらない組み合わせが生まれることもあり、ワイン造りの奥深さを改めて感じさせてくれます。例えば、ある地方では、その土地特有の気候風土を生かした独自のぶどう栽培が行われています。そのぶどうを使って、昔ながらの製法で醸造された個性豊かなぶどう酒は、地元の人々に愛されています。また、別の地方では、様々な種類のぶどうを混ぜ合わせ、新しい味わいを生み出す試みが行われています。こうした自由な創造性こそが、ヴァン・ド・フランスの魅力と言えるでしょう。フランスでは、この気軽に楽しめるぶどう酒が、普段の食事に欠かせないものとなっています。家庭の食卓はもちろん、街角の小さな食堂でも、気軽にぶどう酒を楽しむ人々の姿が見られます。フランスの食文化に深く根付いたヴァン・ド・フランスは、今もなお、多くの人々に愛され続けているのです。日々の生活に寄り添う、まさに『食卓の酒』と言えるでしょう。
