ブドウの栽培 ゴブレ仕立て:ブドウの樹形
ゴブレ仕立てとは、ブドウの樹を盃(ゴブレ)のような形に仕立てる方法です。まるで自然に育った樹木のようで、他の仕立て方とは大きく異なる独特の姿をしています。ゴブレ仕立ての最大の特徴は、支柱や針金といった人工物をほとんど使わず、樹本来の自然な形を生かしている点です。太い主幹から直接短い枝を伸ばし、そこに房を付けます。この形は、ちょうど盃を逆さにしたように見え、名前の由来となっています。この仕立て方は、剪定作業も比較的簡単です。複雑な構造ではないため、初心者でも比較的容易に剪定ができます。樹の勢いを調整するための冬の剪定も、込み入った枝を整理する夏の剪定も、他の仕立て方に比べて手間がかかりません。この簡便さも、ゴブレ仕立てが古くから広く採用されてきた理由の一つです。ゴブレ仕立ては、乾燥した地域で特に多く見られます。雨が少ない地域では、地中深くまで根を張ることで、貴重な水分を効率よく吸収できるからです。ゴブレ仕立ては、根の伸長を妨げる支柱や針金を使わないため、根が自由に伸び、乾燥した環境でも力強く育つことができます。まるで大地の恵みを一身に受け止めているかのような、力強い樹形は、ゴブレ仕立てならではのものです。ゴブレ仕立てのブドウ畑は、独特の景観も魅力です。空に向かって大きく広がる樹々は、自然の力強さを感じさせ、訪れる人々を魅了します。近年、機械化が難しい等の理由から減少傾向にありますが、昔ながらのブドウ栽培の知恵と、その土地の風土を感じることのできる貴重な存在です。ブドウ栽培の歴史や多様性を理解する上で、ゴブレ仕立ては重要な要素と言えるでしょう。
