ワインの種類 輝きを秘めた美酒 クリスタル
皇帝の愛した特別な一杯、クリスタル。その名は、透き通ったクリスタルガラスのボトルに由来します。このボトルは、19世紀、ロシア皇帝アレクサンドル2世の特別な要望によって生まれました。当時、皇帝はシャンパーニュ地方の名門、ルイ・ロデレール社の醸造する味わいに深く魅了されていました。そして、自分だけのために特別なシャンパーニュを造ってほしいと依頼したのです。皇帝は、見た目にも美しいシャンパーニュを望んでいました。そこでルイ・ロデレール社は、透明なクリスタルガラスを用いたボトルを特注しました。一般的なシャンパーニュボトルの底は凹んでいますが、クリスタルのボトルは平底です。これは、皇帝が暗殺を恐れて、ボトルの底に爆弾が仕掛けられないよう配慮したためだと伝えられています。クリスタルガラスのボトルは、シャンパーニュの黄金色をさらに美しく輝かせました。皇帝はこの輝きに魅了され、クリスタルという名を授けたのです。その名は、最高級シャンパーニュの代名詞として、今日まで語り継がれています。さらに、黄金色のセロファンでボトル全体を包むことで、光による劣化を防ぎ、皇帝への贈り物にふさわしい風格を添えています。まさに、皇帝の特別な一杯にふさわしい、美しさと気品を兼ね備えたシャンパーニュと言えるでしょう。味わいはもちろんのこと、その歴史と物語、そしてボトルの美しさ。すべてが特別なクリスタルは、まさに唯一無二の存在なのです。
